こんにちは!ちづみ(@098ra0209)です。私は小学校の先生、教育系の企業を経て現在フリーランスでウェブ制作をしているものです。(^O^)
今回、過去の教育事業に携わってきた中で、コンセンサスゲームについて詳しく紹介していきます!チーム間の同意形成について養うゲームなのですが、これとっても面白いですよ!
同意形成ゲーム(コンセンサスゲーム)って?
ある1つの課題について、グループ全員の合意、納得によって意思決定をするゲームです。コンセンサス(consensus)とは意見の一致、合意を意味し、チーム行動においての力を養うことができるゲームです。
コンセンサス大手企業のチームビルディングにも使われています。
チームでの仕事の中で、それぞれに持ち寄った意見を1つの意見にまとめる行為は本当によくありますね、その力を養うことが期待されるゲームで、これはこどもでも少しアレンジをすれば可能なんです。
ここから先はコンセンサスゲームの中の1つ、「砂漠からの脱出」を詳しく解説していきます。

「砂漠からの脱出」ゲームの概要
このゲームをめちゃ簡単にいうと、砂漠に不時着したみなさんが生き残るために必要なアイテムを選択するというゲームです。
そのアイテムの優先順位はなにか、まずは個人の時間をとり、一旦個人で決めた後で、チームになって1つの意見にするというゲームです。もちろん、最初はチーム間の意見がバラバラですので、それをお互いしっかり納得した上で決めて行くのがミソなゲームです!
そして最後に正解を発表してどのくらい合っていたかを見るのですが、大切なのは同意する力なので、あまり重要ではないです。また勝ち負けに知識の豊富さもあまり関係ないかと思います。
ゲームの流れ
私が小学校3年にやった時はこんな感じのタイムスケジュールでした!
ゲームマスター(先生)からあらすじの紹介(3−5分)
↓
どのアイテムが重要なのか優先順位を個人で記入(3ー5分)
↓
チームで考える前にルールを定義(2分)
↓
チーム(4人程度)で1つの答えにする(10分〜時間があれば25分)
↓
答えを発表、振り返り
こんな感じです。

あらすじ
元祖「砂漠脱出ゲーム」だと、ちょっとむずかしい用語や過激なものもあったのでこちらで小学生向けにアレンジしてみました。それが以下です。
ある夏の日、みなさんの乗った飛行機はアメリカのある砂漠に差し掛かったところで飛行機の故障により、不時着してしまいました。飛行機は大破し燃え上がりましたが、みなさんは奇跡的に怪我もなく無事でした。
あまりに突然のことだったので、無線で救助を求める時間もなく現在位置を知ることもできませんでした。ただ、不時着する前にみた景色から、みなさんは最も近い街まで約110km離れていることがわかりました。
この砂漠は平らな土地で、サボテン以外何も生えていません。現在の気温は体感で40度以上ありそうです。
みなさんは半袖シャツ、ズボン、靴下、スニーカーという服装でそれぞれ一枚のハンカチとサングラスを持っているだけです。
ただ、飛行機が燃えてしまう前にみなさんは次の4つのアイテムをかろうじて取り出すことができました。それは、ライト、一人一リットルの水、方位コンパス、手がかみの4つです。

「まず、どれが重要なアイテムなのか考えよう」「冷静に判断するため、ここはまず各自で考え、最後にみんなで話あおう」と一人のメンバーが言いました。


↑これを伝えましょう。これによって考え方がちょっと違ってくるからです。

あ、もしよければ自由にダウンロードして使ってくださいね!!
ここで5分くらい時間をとります。
チームで話あう時のルール
個人の意見がかけたらチームでの話し合いになりますが、ここでしっかりとルールを認識してもらいましょう。
- 今チームのみんなの意見はバラバラだけど、これを1つの意見にしていきます。そこでお約束です。
- 大事なのは自分の意見を持つこと、そして相手の意見を受け入れること
- あなたが決めた順位は遠慮しないで自分の考えや気持ちを皆に伝えましょう。
- 自分の意見を変えるときには、納得してから変えましょう。わからないことがあれば相手に質問しましょう。
- でもただ単に「アイツだけには負けたくない」とかはやめましょう。我々はチーム、仲間です。
- 相手の意見を十分聞いて、自分なりに納得して、意見が変わることがあっても、「変わるってこうなんだ!」と味わってください。
チームの場合は4人がベストかと思います。ここで15分程度時間をとります。この間にゲームマスターはそれぞれの話し合いの様子をみに行くといいですね。

アイテムの重要度の答え
チームで1つの答えにできたら正解を発表します。専門家の考える回答は以下の通りです。
- 手かがみ(鏡はかなり遠距離まで光が届き、捜索隊の信号になるから)
- 一人1リットルの水(水分補給のため、生存には不可欠であるが、捜査隊に発見してもらうことが最優先であるから)
- ライト(夜の援助等、光って捜査隊に知らせるため)
- 方位コンパス(街に向かって行くのに必要だが、捜査隊に発見してもらうことが重要なため、重要度は低い)
これを発表すると、だいたいのチームは重要度1に水と答えているため、「なんだよー!」って感じでちょっと盛り上がります。ここで解答に対してのポイントです。

ここまでがゲームの流れです!
振り返り
振り返りとしては以下の項目を書いてもらいました。

応用編(中学生向けとかにするには)
今回は小学3年生向けに行いましたが、本来社内のチームビルディングに使われるものなので、かなり大人向きです。
これをアレンジ次第で小学校高学年、中学生、高校生にも実施することができ、その場合はアイテムの数を増やしてあげればいいです。
アイテムの数は本来12個あり、以下がその順位です。対象年齢に応じてアイテム数を増やしてあげるとやりがいが出ていいですね!
- 手かがみ(鏡はかなり遠距離まで光が届き、捜索隊の信号になるから)
- 一人一着の軽装コート(太陽光を肌に浴びせないため。夜の寒さ避けにもなる)
- 一人1リットルの水(水分補給のため、生存には不可欠であるが、捜査隊に発見してもらうことが最優先であるから)
- ライト(夜の援助等、光って捜査隊に知らせるため)
- 赤と白のパラシュート(広げて空からの目印にする)
- 大きいビニールの雨具(砂嵐から身を守るため)
- 弾薬の装填されているピストル(音で知らせるため。動物に襲われた時用)
- 方位コンパス(街に向かって行くのに必要だが、捜査隊に発見してもらうことが重要なため、重要度は低い)
- この地域の航空写真の地図(周辺の地形を把握するために必要だが、捜査隊に発見してもらうことが重要なため、重要度は低い)
- 「食用に適する砂漠の動物」という本(動物を捕まえるのは体力を消耗するから。捜査隊に発見してもらうことが重要なため、重要度は低い)
- 約2リットルのウオッカ(余計に喉が渇き脱水症状を促進してしまうため)
- ガラス瓶に入っている食塩(塩は血液濃度が上がるため。また、脱水症状を促進してしまうため)
もし高学年が対象だったら、手かがみ、水、ライト、パラシュート、方位コンパス、地図、食塩とかでやってみるとちょうどいいかもしれませんね!
以上です!